java

SpringBootアプリにBootstrap4を追加(WebJars使用)

投稿日:2019年7月1日

SpringBootにCSSやJSを追加する場合は概ね以下のパターンがあるんじゃないかと思います。(bowerはもう使わない方向で)

  1. CDNで外部から読み込む<script src=”JSのURL”> <link href=”CSSのURL”>
  2. ダウンロードしてきてsrc/main/resources/staticに配置する
  3. Node.jsを併用してnpmインストールする
  4. Node.jsを併用してWebpackなどのバンドラで纏めて読み込む
  5. WebJarsを使ってMaven的に内部に持つ

それぞれのメリット、デメリットを見て行きます。

メリット、デメリット

1.CDNで外部から読み込む

メリット:
インストールはHTMLへのコピペのみで簡単。ネットワーク帯域を節約できる。

デメリット:
CDNに障害が発生した場合など、外因性の障害が発生する危険が0じゃない。

2.ダウンロードしてきてsrc/main/resources/staticに配置

メリット:
開発システム内で完結する。1のデメリットが解消される。

デメリット:
自前でダウンロードしてきて配置する必要がある。

3.Node.jsを併用してnpmインストールする

メリット:
npm install一発でインストール可能。バージョン管理も出来る。

デメリット:
Node.jsが必要。node_modulesがwarに入ってしまってサイズがデカくなる。

4.Node.jsを併用してWebpackなどのバンドラで纏めて読み込む

メリット:
JS、CSS、画像、等々の資源を一つに纏められ、<script>タグが一つで済む。

デメリット:
Node.jsが必要になる。読み込みは1資源で良いがサイズが大きくなり、非SPAの場合、ページによっては不要な資源を読み込むことになる。

5.WebJarsを使ってMaven的に内部に持つ

メリット:
MavenがWeb資源もバージョン管理してくれる。開発システム内、Javaのみで完結する。

デメリット:
仕組みが若干トリッキーでWebJarsを知らないと最初「?」てなる。

目立ったデメリットが無く、Javaプログラマが普段通りの感覚でWebコンポーネントを管理できるWebJarsは、生粋のJavaプロジェクトでは良い選択肢になりそうです。

WebJarsとは

みんな大好きMavenやGradleで、開発システムにCSS、JSをインストール出来るようになります。

com.webjars.{JSやCSSプロダクト}をインストールすることで/webjarsコンテキストが自動で作られ、そこでJSやCSSを公開してくれるようになります。

pom.xml等での依存の指定の仕方はWebJarsの公式サイトを参照します。

メジャー処のプロダクトをMavenやGradleで依存追加する方法が書いてあります。Filesを見ることで実際にリンクする時のパスも分かります。

WebJarsでBootstrap4を入れる

前回作ったSpringBoot + JSP雛型プロジェクトに入れてみます。

pom.xmlにBootstrap4を追加。依存するjQueryも追加。MavenのartifactバージョンがJSライブラリのバージョンと同じなのは分かり易くていいですね。

        <dependency>
            <groupId>org.webjars</groupId>
            <artifactId>bootstrap</artifactId>
            <version>4.3.1</version>
        </dependency>

        <dependency>
            <groupId>org.webjars</groupId>
            <artifactId>jquery</artifactId>
            <version>3.4.1</version>
        </dependency>

SpringBootを起動し、公開されたwebjarsコンテキストからlogin.jspで資源を読み込みます。ブラウザで読み込んでみて開発者ツールでエラーが出ていなければOKです。

<%@ page language="java" contentType="text/html; charset=UTF-8"	pageEncoding="UTF-8"%>
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>SpringBoot + JSP</title>

<script src="webjars/jquery/3.4.1/jquery.min.js"></script>
<link rel="stylesheet" href="webjars/bootstrap/4.3.1/css/bootstrap.min.css"/>
<script src="webjars/bootstrap/4.3.1/js/bootstrap.min.js"></script>
</head>
<body>
    <% out.println(new java.util.Date()); %>
</body>
</html>

SpringMVCとBootstrap4でログイン遷移を作ってみる

bootstrap4も使えるようになったのでログイン画面を実装し、遷移する処理を入れてみます。

JS、CSSをロードするインクルードJSPを作成

今回はSPA(シングルページアプリケーション)ではないので画面全体が遷移します。各画面で一々JSやCSSを読み込む手間を省く為のインクルードJSPを作っておきます。

src/main/webapp/WEB-INF/view/head.jsp

<%@ page language="java" contentType="text/html; charset=UTF-8"	pageEncoding="UTF-8"%>

<meta charset="UTF-8">

<script src="webjars/jquery/3.4.1/jquery.min.js"></script>
<link rel="stylesheet" href="webjars/bootstrap/4.3.1/css/bootstrap.min.css" />
<script src="webjars/bootstrap/4.3.1/js/bootstrap.min.js"></script>

<title>SpringBoot + Bootstrap4</title>

ログイン画面入力フォームを作成

ログイン画面のEmail、Passwordを受け取るFormを作成します。

package com.example.demo;

public class DemoForm {
	private String email;

	private char[] password;

	public String getEmail() {
		return email;
	}

	public void setEmail(String email) {
		this.email = email;
	}

	public char[] getPassword() {
		return password;
	}

	public void setPassword(char[] password) {
		this.password = password;
	}
}

コントローラに画面遷移を追加

コントローラに/loginハンドラを追加してresult.jspにフォワード出来るようにしておきます。DemoFormも登録しておきます。

loginメソッドではDemoFormからログイン画面の入力値を受け取り、次のresult.jspに渡すModelに値を再設定しています。単純なエコー処理です。

package com.example.demo;

import org.springframework.stereotype.Controller;
import org.springframework.ui.Model;
import org.springframework.web.bind.annotation.ModelAttribute;
import org.springframework.web.bind.annotation.RequestMapping;
import org.springframework.web.bind.annotation.RequestMethod;

@Controller
public class DemoController {

    // 追加
    @ModelAttribute
    public DemoForm setUpForm() {
        return new DemoForm();
    }

    @RequestMapping(path = "/", method = { RequestMethod.GET })
    public String input(Model model) {
        return "login";
    }

    // 追加
    @RequestMapping(path = "/login", method = { RequestMethod.POST })
    public String login(DemoForm demoForm, Model model) {

        model.addAttribute("email", demoForm.getEmail());
        model.addAttribute("password", new String(demoForm.getPassword()));

        return "result";
    }
}

ログイン後の遷移先JSPを作成

遷移先のresult.jspをsrc/main/webapp/WEB-INF/viewに作成します。コントローラから受け取ったemailとpasswordを表示しています。

<%@ page language="java" contentType="text/html; charset=UTF-8" pageEncoding="UTF-8"%>
<%@ taglib prefix="form" uri="http://www.springframework.org/tags/form"%>

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<%@ include file="/WEB-INF/view/head.jsp"%>
</head>
<body>
    <header>
        <nav class="navbar navbar-expand-md navbar-dark fixed-top bg-dark">
            <a class="navbar-brand" href="#">SpringBoot + Bootstrap4</a>
        </nav>
    </header>

    <div style="margin-left: 100px; margin-right: 100px; margin-top: 100px;">
        <p>Email : ${email}</p>
        <p>Password : ${password}</p>
    </div>
</body>
</html>

ログインページを再作成

最後に時刻を出すだけだったlogin.jspをログインページとして作り直します。「Sign in」ボタンがクリックされるとDemoControllerの/loginが呼ばれるようにしておきます。form内の入力値がDemoFormクラスに渡されるようにmodelAttribute属性も忘れずに。

<%@ page language="java" contentType="text/html; charset=UTF-8" pageEncoding="UTF-8"%>
<%@ taglib prefix="form" uri="http://www.springframework.org/tags/form"%>

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<%@ include file="/WEB-INF/view/head.jsp"%>
</head>
<body>
    <header>
        <nav class="navbar navbar-expand-md navbar-dark fixed-top bg-dark">
            <a class="navbar-brand" href="#">SpringBoot + Bootstrap4</a>
        </nav>
    </header>

    <div style="margin-left: 100px; margin-right: 100px; margin-top: 100px;">
        <form:form action="/login" method="POST" class="form-signin"
            modelAttribute="demoForm">
            <div class="text-center mb-4">
                <h3>ログイン</h3>
            </div>

            <div class="form-label-group">
                <label for="inputEmail">Eメールアドレス</label>
                <form:input path="email" class="form-control" placeholder="Email"></form:input>
            </div>

            <div class="form-label-group">
                <label for="inputPassword">パスワード</label>
                <form:password path="password" class="form-control"
                    placeholder="Password"></form:password>
            </div>

            <div class="checkbox mb-3">
                <label> <input type="checkbox" value="remember-me">
                    パスワードを記憶
                </label>
            </div>
            <button class="btn btn-lg btn-primary btn-block" type="submit">Sign in</button>
        </form:form>
    </div>
</body>
</html>

動作確認

ブラウザでhttp://localhost:8080にアクセスしてBootstrap4でデザインされた画面が表示されることを確認し、適当な値を入力して「Sign in」ボタンをクリックします。

遷移先のresult.jsp。login.jspで入力された画面が表示されていれば動確完了です。

まとめ

WebJarsを使うとMavenでCSSやJSが自動インストール出来ることが分かりました。入れたものを使いこなすのはまた別問題ですが、管理自体は大分整然としますね。

-java
-, ,

執筆者:

関連記事

Stripe + Javaでオーソリ(与信の確保)を実装する

Stripeでチャリンチャリン、サービスを開発するエンジニアにとっては夢がありますよね。 例え自分で個人的に売るものが無かったとしても、Web決済システムを構築できるノウハウを持っておけば、公的な仕事 …

Tomcat9をCentOS7&OpenJDK11で起動

CentOS 7.6にOpenJDK 11を以下の記事で入れている状態です。One IT ThingCentOS7にOpenJDK11をインストール、alternatives後の再ログインでJAVA_ …

IVS、サロゲートペアが混じった文字列をJavaのWebアプリでワードカウントする

(結論:java.text.BreakIteratorは「サロゲートペア文字 + IVS」の8バイト文字も1文字としてカウントしてくれる) 先日、IPAmj明朝フォントを使ってIVSを含んだUnico …

Spring&JSPの検証環境を作る

2019年現在、オワコン風潮の強いJSPですが使っているプロジェクトもまだまだあり、枯れた技術を好む官公庁系のプロジェクトでは根強いシェアを誇っています。実装検証をする為に環境を作る機会があったりする …

JavaコアAPI数の遷移をChart.jsでグラフ化してみる

chart.jsの試用を兼ねてJavaバージョンが上がるごとに標準搭載されているAPI数がどう変化しているか調べました。 目次1 調査結果2 グラフ化3 不要なAPIは外部化の傾向 調査結果 Orac …

 

shingo.nakanishi
 

東京在勤、1977年生まれ、IT職歴2n年、生涯技術者として楽しく生きることを目指しています。デスマに負けず健康第一。