angular

compodocでAngularプロジェクトのビジュアルなドキュメントを自動生成する

投稿日:2019年8月1日

Java、C、Pythonのドキュメントを自動生成する際にDoxygenを使えばクラス図や呼び出し図、呼び出され図を作れて便利です。

しかしDoxygenはTypescriptには対応しておらず、.tsを対応拡張子に加えてもほぼほぼドキュメント生成はされません。

地道にTypedocを書いていくか・・・となるのですが、Angularプロジェクトの場合は@compodoc/compodocを使うことでモジュール関連図やルーティング図、ドキュメント記述のカバレッジまで出してくれたりします。

Angular、ionicプロジェクトを可視化したい、と考えているなら十分な選択肢になってくれるかと思います。

compodocとはどういうもの?

一見に如かずで公式デモを見て行きましょう。Angularで作られたTodoMVCアプリをcompodocでドキュメント化したものになっています。

https://compodoc.github.io/compodoc-demo-todomvc-angular/index.html

左メニューから「Overview」を見てみると・・・モジュールやコンポーネント、クラスの相関図が生成されています。関連図はズームイン、アウトが出来ます。

Typescriptで作られた.tsの関連が絵になって表示されます。これだけでちょっと使いたくなってきませんか?「見える化大好き人間」の傾向がある私は見つけた瞬間に導入しました。

他にも生成出来る情報は多数ありますよ。

一般的なAPIリファレンス

クラスやメソッド説明的なあれです。

TSソースやHTMLテンプレート

Angularコンポーネントを構成するTypescriptソース、HTMLがそのまま見れます。

HTMLドキュメントを作ってローカルHTTPサーバで公開しておけば、Gitにまだpushしてない段階でも、エディタを開いてPCを皆の方に向けて、皆に見えるようにズームして・・・とかしなくても、ミーティング参加者全員が自分のPCで見れて情報交換し易くなるかも知れません。

「今こうやって作ってるんだけど意見ありますか?」みたいな感じで。

早い段階でコンセンサスを取っておくことで、何気にソースレビュー工数の削減が出来るかも知れません。

HTMLテンプレートのDOMツリー

コンポーネントが複雑になってないか、とか一目で分かります。

ルーター定義

どこのコンポーネントからどこのコンポーネントへ遷移するのか、画面遷移図の替わりになってくれます。

ドキュメンテーションカバレッジ

Typescriptではこれをやってくれるツールが余りないので重宝します。「ドキュメント薄いよっ!なにやってんの!」とホワイトベースの艦長ばりの指示が出せるようになります。

もう・・・入れない理由が見当たりません。

でも・・・使い方面倒くさいんでしょう?

いえいえ簡単です。ng newしたAngularプロジェクトが有ればすぐに試せます。手頃なAngularプロジェクトがなければ作成しておきます。

npmjs.comでインストール方法を調べます。開発中フェーズでしか使わないので–save-devを付けておきましょう。

https://www.npmjs.com/package/@compodoc/compodoc

npm install @compodoc/compodoc -save-dev

インストールが完了したら公式ガイドに従って以下のコマンドを実行します。

npx compodoc -p tsconfig.app.json

実行ディレクトリに「documentation」ディレクトリが出来、生成されたindex.htmlを実行すれば、公式デモと同様のサイトを確認できます。

以上でドキュメント化終了です。簡単ですね!

Angular特化自動ドキュメント生成の現実解

同種のことが出来るものでAngularDocというサービスが出てきていますが、商用クローズドプロジェクトの場合は年間99ドル必要です。

また、Typescriptのドキュメント化ツールとして2019年現在最もメジャーであろうTypedocではビジュアルなドキュメントを作るのは難しいのが現状です。

対してcompodocは無料で手軽にソースのビジュアル化を試すことが出来、かつ痒い所に手が届く補足的な機能も備えてくれています。

Angularで開発をしているなら「compodocはニーズを満たしてくれる有力なドキュメントツール」と今のところ言えそうです。

-angular
-,

執筆者:

関連記事

Angularのテンプレート評価式にビット演算を使うとTemplate parse errorが発生する

AngularのテンプレートHTMLでビット演算をすることは禁じられているので代替手段を考えます。 目次1 事象2 原因3 対処 事象 CSSクラスをビット演算で切り替えるテンプレートを書きました。c …

正規表現結果をHTMLコード化してマッチ部分をハイライト表示

やりたかったのは「Rubular」が提供してくれるマッチした部分をハイライトしてくれる機能。 https://rubular.com/ ちょっとしたツールにこういう機能を入れようと思ったのですが、ニー …

Angular4.4のHTTP通信処理にタイムアウトを設定をすると「timeout is not a function」エラーが発生する

目次1 事象2 原因3 対処4 まとめ 事象 Angular4.3で追加されたHttpClientModuleに移行せず、HttpModuleを使い続けているアプリで、とある理由からpackage-l …

AngularアプリをPlaywright、 Jestテストし、カバレッジをマージする(V8編)

前回はistanbulでinstrumentしたAngularアプリに対してPlaywrightテストをし、カバレッジを計測しました。 One IT ThingAngularアプリをPlaywrigh …

AngularアプリをPlaywrightテストしてカバレッジを計測する(webpack + istanbul編)

Angular17からはデフォルトのバンドルツールがesbuildに変わったこと、Angular & istanbul形式だとjestのistanbul形式と正確にマージ出来ないことから、An …

 

shingo.nakanishi
 

東京在勤、1977年生まれ、IT職歴2n年、生涯技術者として楽しく生きることを目指しています。デスマに負けず健康第一。